第61回日本腎臓学会学術総会

総会長挨拶

第61回日本腎臓学会学術総会 総会長 成田 一衛(新潟大学腎研究センター腎・膠原病内科学 教授)

 第61回日本腎臓学会学術総会を、2018年6月8日(金曜日)から10日(日曜日)の3日間、新潟市朱鷺メッセ、ホテル日航新潟を主会場として開催致します。日本腎臓学会学術総会は、腎臓病の研究と臨床に関連する広い分野の方々の研究発表や情報交換の場として毎年開催され、わが国の腎臓学の科学としての進歩と人材育成、そして臨床分野としての医療の向上に大きく貢献して参りました。このような重要な学術総会を大会長として開催させて頂けることは、大変光栄なことであり、深く感謝するとともに大きな責任を感じております。
 2017年、日本腎臓学会総会は60周年(還暦)を迎えました。柏原直樹理事長のリーダーシップのもと、会員は1万名を突破し、糖尿病学会、透析医学会など関連学会との連携を深め、また第60回総会では国際腎臓学会との共同声明、”仙台宣言”が発信されるなど、欧米・アジア諸国との連携など国際的な活動も益々充実しています。一方では、わが国は超高齢化社会を迎え、腎臓病の克服に向けた新薬開発や医療技術の改善が待ち望まれています。医学会全体も新専門医制度が始まるなど、腎臓学会を取り巻く環境や社会のニーズも変化しています。腎臓学は今までの歴史と成果を基に、新たなステージに向かおうとしているのではないでしょうか。既に“糖尿病性腎臓病”克服への糖尿病学会との共同声明や、腎臓病療養指導士制度などの取り組みも開始されています。
 このような状況をふまえ、第61回のテーマは、新たな歴史に向けて最初の一歩を踏み出すという思いを込め、またメイン会場の朱鷺メッセをイメージし、”飛翔:腎臓学の源から新世代へ”と致しました。
 ICT、AI、再生医療、ビッグデータ、遺伝子編集など、新しい研究テクノロジーを、どのように腎臓研究に活かし、人間社会の幸福や発展に貢献できるのか、皆様と改めて考え、また情報や課題を共有する機会となればと考えております。
 特別セッション、シンポジウムなど、全体をそのようなテーマを考慮した企画を予定しております。その他、次世代の人材育成のための教育的セッションや、若手活性化につながる取り組みも充実をはかりました。多くの会員の皆様から頂いた御要望をすべてとり入れることは叶いませんでしたが、できる限り多くの御希望に添える様に工夫したつもりです。
 御参加頂いた方々の研究と診療に役立つような有意義な学会となります様、教室員一同、そして副会長の河内裕教授(腎研究センター腎分子病態学)はじめ、私共新潟大学腎研究グループ一同、鋭意準備して参ります。皆様のお越しを、心からお待ちしております。

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